OpenAIは2025年3月31日に400億ドル規模の新規資金調達を完了し、これは民間企業の技術会社としての最大規模となります。これにより、評価額は投資後に3,000億ドルに達し、2024年10月の評価額である1,570億ドルから約2倍の増加を示しています。主な投資者には、日本のソフトバンクが300億ドルを投資し、マイクロソフト、コチュー、アルティミター、スライヴキャピタルなどが参画しています。資金の使用先としては、180億ドルが米日AI協力プロジェクトであるスターゲート(Stargate)のインフラ構築に活用される予定です。
AGI開発のための活用計画
この資金は、人工一般知能(AGI)の開発及びコンピューティングインフラの拡張に特に集中します。具体的には、科学的発見、教育の個別化、人間の創造性を高めるためのAIシステムの開発が進められます。また、大規模GPUクラスターやデータセンターの建設に投資し、モデルの学習能力を高める手段となります。加えて、週5億人のユーザーを対象とするChatGPTの性能やアクセスビリティの向上も目指されています。
主要統計と展望
- ユーザー規模: 2025年3月時点での週活性ユーザーは4億人であり、2025年末までに10億人を目指しています。
- ウェブサイトランキング: 世界で8位にランクイン(月間訪問者は5.19億人)。
- 財務状況: 2024年の年間収益は37億ドル、損失は50億ドルという状況であり、初期段階での投資の拡大が必要とされています。
組織構造の変化
- 法人構造の変更: 2025年12月31日までに営利法人への転換を計画しており、これはソフトバンクの条件付き投資の減少防止を目的としています。
- スターゲートプロジェクト: 2025年末までに300億ドルの段階的投資を完了する予定です。
今回の資金調達は、OpenAIがAGIの開発を加速し、業界全体のAIエコシステムをリードするための基盤を整えたものと解釈されています。ただし、持続的な投資誘致と収益化戦略の並行が今後の注目ポイントとなるでしょう。